けん
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Second Half Lab(セカラボ)
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20代から約20年スポーツジムのインストラクターを経験し、その後独立。 今は物販会社を経営しながら、YouTube「人生後半戦ラボ」で同世代に向けて発信しています。 このセカラボは、そのYouTubeの続きみたいな場所です。動画では伝えきれへん「僕が実際に使ってる道具」「やってる方法」を、健康・お金・仕事道具・身だしなみといったテーマで、もう一歩詳しく書いていきます。 人生の後半は、我慢の消化試合やない。40代からこそ、自分の手で設計しなおせる。完璧を待たんと、60点でええから今日動く——そんなノリで一緒に。 人生の後半戦、はよ、やりなはれ。
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【書評】木下勝寿『時間最短化、成果最大化の法則』——「ピッパの法則」だけでも元が取れる

朝の支度の途中で手帳に書き込んでいる手元のイメージ
けん
本記事にはプロモーションが含まれています

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同じ指示を出しても、出てくるまでの速さが人によって全然違う。

うちは大阪で物販の会社をやっていて、スタッフが30人ほどいます。この差は能力の差やと、僕は長いこと思ってました

でも、この本を読んで考えが変わりました。差の正体は能力やなくて、「考え方のクセ」や、というのがこの本の主張です。

著者は木下勝寿さん。北海道のEC企業「北の達人コーポレーション」を東証プライム上場まで育てた経営者です。

仕事術の本はたくさんありますが、この本が違うのは会社を実際に上場させた人が、自社のスタッフを見ながら書いているところです。机の上で考えた話やありません。

この本の骨子——成果は「掛け算」でできている

この本は、成果をこう分解します。

この本の中心にある式

成果 = スキル × 思考アルゴリズム

スキルは、経験を積まんと上がりません。3ヶ月で倍にはなりません。

でも思考アルゴリズム——考え方のクセのほうは、入れ替えたその日から効きますここがこの本の一番おもしろいところです。

同じスキルの人間が2人いて、片方だけ成果が出る。それは掛けてる数字が違うからや、という説明の仕方です。

その入れ替え用のパターンが45個、1話ずつ載っています。分厚い本ですが、1日1話ずつ読める作りなので挫折しにくいです。

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「もっと頑張れ」やなくて「その考え方を1個変えよう」やったら、言われた側も動きやすいですよね

「時短術の本」やと思って買うと、ちょっと違う

タイトルに「時間最短化」とあるので、作業を速くするテクニックの本やと思って手に取る人が多いはずです。僕もそうでした。

実際は違います。この本が扱ってるのは、手の速さやなくて判断の速さです。

同じ1時間でも、30分悩んでから30分で作業する人と、すぐ決めて60分作業する人では、出てくる量が倍違う。タイピングを速くする話は出てきません。

だから、「作業が遅くて困ってる人」より「決めるのに時間がかかって困ってる人」に効きます。

「思考アルゴリズム」という言い方がうまい

この本は、考え方のクセを「アルゴリズム」と呼びます。プログラムの処理手順のことです。

この言い方が効いてるのは、性格やなくて、入れ替え可能な手順の話やと分かるからです。

「あいつは慎重すぎる性格や」と言うと、もう手の打ちようがありません。でも「入ってる手順が違うだけ」やったら、書き換えられます。

人を責める話やなくなる。ここは経営をやってる人間として、地味にありがたい発明でした。

僕がいちばん持って帰ったのは「ピッパの法則」

ピッと思ったら、パッとやるそれだけです。

名前だけ聞くと、ただの「すぐやれ」に聞こえます。でも、この本の説明を読むと理由が納得できます。

「あとでやろう」は、頭の中の置き場所を食い続ける

あとでやろう、と思った仕事は、終わるまでずっと頭の隅に居座ります。「あれやらなあかん」が3つ4つ溜まると、目の前の仕事の質まで落ちます。

物販をやってる人なら、この感覚は分かるはずです。売れへん在庫と同じです。置いてるだけで倉庫代がかかって、しかも棚を占領してる。

頭の中にも倉庫代がかかってる、と思ったら分かりやすいです。

10秒で終わる仕事を、あとに回さない

実際にやってみると、「あとで」に回してた仕事の多くが、その場でやったら10秒〜1分で終わることに気づきます。

スタッフからの「これどうしましょう」への返事。発注するかせんかの判断。メールの一言返信。判断そのものは一瞬なのに、あとに回すから何時間も抱えることになる。

うちの会社には「60点でええから、まず動く」という口癖があるんですが、読んでみたらこの本とほぼ同じことを言うてました。

けん
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全部、独立してから読んだ本です。「これ、気づいたらやってたな」いうのもあって、答え合わせみたいな読み方でした

やってみて分かった、1つだけ注意

ただし、何でもかんでも即やればいい、という話やありません。

ピッと思ってパッとやると、急ぎやけど重要やない仕事から片付いていくことがあります。メールの返信ばっかり速くなって、肝心の仕込みが進んでへん、という状態です。

僕の理解では、この法則が効くのは「やると決まってる小さい仕事」に対してです。やるかやらんかを決めること自体が大きい仕事には、別の考え方が要ります。

そこはこの本の他の項目や、同じ著者の『「悩まない人」の考え方』のほうが担当してます。

朝の机に置かれた無地の時計とノートのイメージ

もう1つ。「一発で当てよう」としない

この本には最初から10回に1回当たればいい前提で動け、という趣旨の話も出てきます。

1回で当てようとする人は、準備に時間をかけすぎます。その結果打席に立つ回数そのものが減る

大事なのは打率やなくて打席数や、という話です。

うちは「10商品出して7つ残れば最高」でやってます

これは実際の話です。10商品出して、7つ残ったら最高。3つでもまあOKという感覚でやってます。

逆に言うと、7つアウトでも構へんと思ってます。最初からそういう前提です。

物販をやったことがない人からしたら、ひどい打率に聞こえるかもしれません。でも10個全部当てようとしたら、1個も出せません。

外すことが、判断基準を上げる工程になってる

大事なのはここです。外れた3つ、7つは、無駄やない。

なんで外れたかを見ると、次に選ぶときの基準が1段上がります。出さんかったら、その基準は永久に手に入りません。

撤退は失敗やなくて、基準を買う行為や、と思うようになりました。

この本の「10回に1回」という考え方は、打席に立たな何も分からんという話やと理解してます。当てるための本やなくて、外れることを設計に入れるための本です。

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全部当てにいくと、出す数が減る。出す数が減ると、判断基準が上がらへん。悪循環です

物販のリサーチが、まさにこれ

商品リサーチは、10個調べて1個仕入れられたら上出来の世界です。1個目から当てにいく人は、調べる前に悩んで止まります。

このブログも同じ考えで運営しています。1本の記事で当てにいかず、本数を出す。当たるかどうかは出してみんと分かりません。

45個、全部やろうとしないほうがいい

これは本に書いてあることやなくて、僕の読み方の話です。

45個もあると、全部取り入れようとして結局1個も定着せん、というのが起こりがちです。

僕がすすめる読み方

ここだけ確認

まず通しで読む。この段階では何も変えない
読み終わってまだ覚えてる項目を1つ選ぶ。覚えてる=自分に刺さってる
それだけを2週間やる
意識せんでもできるようになったら、次の1個へ

45個のうち3つ定着したら、それでもう元は取れてます。ピッパの法則だけでも十分です。

経営者が読むと、指示の出し方のほうが変わる

ここが、僕にとって一番効いた部分かもしれません。

スタッフの動きが遅いとき、これまでは「もっと早くやって」としか言えませんでした。言われた側からしたら、何をどう変えたらええか分かりません。

でも「その判断、あとに回さんとその場で決めてええよ」やったら、具体的です。やることが1個だけ、はっきりしてます。

「もっと早く」と言うのをやめて、やったこと

僕もスタッフに「もっと早くやって」と言うてしまったことがあります。何回もあります。

でもあれは何も動かしません。言われた側は、何をどう変えたらええか分からんからです。

いま切り替えたのは、この2つです。

「もっと早く」の代わりにやってること

ここだけ確認

何が足りてないのかを、事前に押さえておく
この人はこういうところが不得意やな、と把握しておく

遅いんやなくて、どこかで詰まってるだけということが多いです。詰まってる場所が分かってたら、そこを外してやればいい。

この本が45個に分解してくれてるのは、その「詰まってる場所」の候補表としても使えます。「あ、この人は決めるところで止まってるな」と当たりがつく。

「できる人」を分解して渡せる

この本の一番の価値は、できる人がやってることを45個に分解してあることやと思ってます。

できる人は、たいてい自分がなんでできるかを説明できません。「普通にやってるだけですけど」で終わります。それを言語化して、渡せる形にしてある。

スタッフ育成をやってる人なら、「共通の言葉」ができるのが大きいです。「あれ、ピッパでいこか」で通じるようになったら、説明のコストがかなり減ります。

けん
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人を変えようとするんやなくて、手順を1個渡す。そのほうがお互い楽です

付箋が貼られた無地のノートと鉛筆のイメージ

誰向けの本か

こんな人に向いてます

ここだけ確認

部下やスタッフに「なんでできへんの」と思ったことがある人。指示の出し方のほうが変わります
「あとでやろう」が口癖の人
仕事術の本を読んでも続かなかった人。1日1話の構成が効きます
一人で仕事をしていて、締切を自分で作らなあかん人

逆に、体系立った理論をじっくり学びたい人には向きません。1話完結の短い項目が45個並ぶ形なので、理論書を期待すると物足りないはずです。

困ってる場面に対して、その場で使える手を探しに来る本です。

正直に書くと、物足りないところもあります

いい本ですが、手放しでほめる気はありません。2つ書いておきます。

1つ目:45個は、正直多い

1日1話で読める構成は親切ですが、読み終わる頃には最初のほうを忘れてます。

僕は、気になった項目に付箋を貼って、あとで貼った分だけ読み返すという読み方に落ち着きました。通しで1回読んで終わりにすると、たぶん何も残りません。

2つ目:合う人と合わん人がはっきり分かれる

この本は「速く決めて、たくさん打席に立つ」という価値観で一貫してます。

これはやり直しがきく仕事には合いますが、1回のミスが致命的になる仕事には、そのまま当てはまりません。

物販でいうと、リサーチや記事作成には効くけど、大口の仕入判断にそのまま持ち込むと事故りますそこは自分の仕事の性質で判断が要ります。

本にはそこまで書いてありません。読む側が線を引くところやと思ってます。

朝の窓際に置かれた椅子と無地のノートのイメージ

1年やってみて、いちばん変わったのは「抱えてる感じ」

この本の考え方を入れて、売上が何倍になった、みたいな話はできません。そういう本やないです。

変わったのは、常に何かを抱えてる感じが減ったことでした。

経営をやってると、頭の中に「まだ返事してへんやつ」「決めなあかんやつ」が常時5個も6個も浮いてます。夜に思い出す。風呂で思い出す。あれがしんどい。

即決するクセがつくと、浮いてる数そのものが減ります。1個ずつ着地するからです。

速さやなくて、残量の話

だから僕は、この本を「時短の本」やなくて「頭の残量を空ける本」として読みました。

空いた残量で、本当に考えなあかんこと——新しい商品をどうするか、人をどう育てるか——を考える。そっちが本番です。

45個のテクニックは、そのための場所を空ける作業やと思ってます。

けん
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速くなること自体が目的やない。速く終わらせて、空いた頭で別のことを考えるためです

こういう本を読んでも変わらへん、という人へ

仕事術の本を何冊も読んで、結局なんも変わらんかったという人は多いはずです。僕もそうでした。

理由ははっきりしてて、読んだ時点で満足してしまうからです。読むと、なんかできるようになった気がします。あれが一番あかん。

1個だけ、名前をつけて持ち歩く

この本に関して言うと、「ピッパの法則」という名前があること自体が仕掛けやと思ってます。

名前がついてると、忘れかけたときに引っぱり出せます。「あ、いまピッパやな」と思える。名前のない教訓は、3日で消えます。

だから読み方としては、名前がついてる項目を1つ選んで、口に出して使うのがおすすめです。スタッフに向かって使うと、自分にも定着します。

本を読んで変わらん人は、たぶん読む量が足りんのやなくて、使う回数が足りてません。1個を100回使うほうが効きます。

同じ著者の本との関係

木下さんの本は役割がはっきり分かれてます。この本は「個人の動き方」の担当です。

4冊の役割

ここだけ確認

本書:個人の動き方・時間の使い方
『売上最小化、利益最大化の法則』:会社の数字の見方
『ファンダメンタルズ×テクニカル』:売り方・広告
『「悩まない人」の考え方』:メンタル・判断

最初の1冊なら、この本をすすめます。会社をやってない人でも使えるからです。経営の話が読みたいなら利益の本からでも構いません。

▶ 部下に指示が伝わらない、と思った時に読む話

朝のコーヒーと開いた無地のノートのイメージ

書籍情報

『時間最短化、成果最大化の法則』木下勝寿(ダイヤモンド社)

書籍

まとめ

スキルを磨くのは時間がかかります。考え方のクセを1個入れ替えるのは、今日できます

しかも入れ替えたぶんは、そのあとの仕事すべてに掛かり続けます。成果が掛け算になってる、というのはそういう意味です。

60点でええから、まず動く。この本は、その「まず動く」を45通りに分解した本でした。

同じ著者の本

▶ 『売上最小化、利益最大化の法則』——月商自慢が虚しくなる本

▶ 『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング』——広告費を「なんとなく」出してる人へ

▶ 『「悩まない人」の考え方』——悩みを「作業」に変換する本

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20代から約20年スポーツジムのインストラクターを経験し、その後独立。 今は物販会社を経営しながら、YouTube「人生後半戦ラボ」で同世代に向けて発信しています。 このセカラボは、そのYouTubeの続きみたいな場所です。動画では伝えきれへん「僕が実際に使ってる道具」「やってる方法」を、健康・お金・仕事道具・身だしなみといったテーマで、もう一歩詳しく書いていきます。 人生の後半は、我慢の消化試合やない。40代からこそ、自分の手で設計しなおせる。完璧を待たんと、60点でええから今日動く——そんなノリで一緒に。 人生の後半戦、はよ、やりなはれ。
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